「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、LMが住んでいる地方はまだまだ
暑いです。
30℃を超える
夏日もしばしば。
一方で、北海道では、昨日(24日)早くも
初冠雪を観測したとか。
狭い日本とは言いますが、それでもこんなに違うんですよね~。

さて、LMが住んでいる近辺では、彼岸に合わせて
彼岸花が咲き始めました。
「
彼岸の頃を忘れるな」と言わぬばかりに、必ず彼岸に合わせて咲く彼岸花。
稲穂が頭を垂れるあぜ道に咲く彼岸花は、強烈なアクセントとして印象に残ります。
稲作の伝来時に伝わったという話ですから、随分昔から根付いているわけです。
野花ではありませんが、梅が奈良時代、白菜が明治時代と、“日本的”なものと思っている植物でも、実は意外と後代に伝来したという事例が多い中、この花は遥か昔から日本人と共にあったわけです。
この光景は、もはや日本人の心の
原風景なのかもしれません。

近年、異常気象で桜の早咲きや紅葉の遅れがあちこちで言われていますが、彼岸花は時期を外しません。
多少の前後はあるかと思いますが、彼岸の頃には必ずその赤い花があちこちで見られます。
それも、つい数日前は見なかったはずなのに、いつの間にかその鮮やかな赤い花を咲かせている、不思議な花です。
彼岸を決して忘れず、彼岸に合わせて咲く花――その赤い花は、まさに
“彼岸花”と呼ばれるのが相応しいのかもしれません。

彼岸花にはいろいろな別名がありますが、LMは
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という呼び名が好きです。
“天上の花”という意味を持つとされる曼珠沙華。
その花の
精緻な美しさは、確かに“天上の花”という名に相応しい気もします。

一方で、彼岸花には、
不吉な花というイメージも強くあり、その方面の別名も少なくありません。
死人花(しびとばな)、幽霊花(ゆうれいばな)・・・。
この“死”を連想させるイメージは、やはりその血のように
濃い赤ゆえでしょうか。
彼岸に合わせて咲く信心深い(?)花なのですが・・・。
しかし実際、彼岸花を間近に見ると、茎から血を吸っているのではないかと思えるほど鮮やかな赤です。
先日、草刈りで一緒に刈られたと思しき彼岸花を見ましたが、すごくドス黒い赤色になっていました。
それさえも、何となく
“死んだ”時の血の色を連想させてしまうのが不思議です。
このイメージは、彼岸花が
毒を持つ花であるからかもしれません。
鱗茎に毒を持ち、うっかり食べると
死に至ります。
が、一方で、十分に毒抜きをすれば食用になるとされ、特に飢饉などの
非常時には食用に供されたとも言われます。
また、この毒は、土中に住む害獣・害虫などにも有効とされており、水田や墓の近辺に彼岸花が多いのは、
田や墓が害獣等から荒らされるのを防ぐために植えられたからだとも言われています。
この
相反するイメージが、たくさんの別名にも影響したのかもしれません。
下手に食べれば毒となり、死ぬ可能性さえある危険な花ながら、非常食となり、薬(忌避剤)の代わりにもなる花――それが彼岸花。
最近は、赤だけでなく様々な色の彼岸花がありますが・・・。
品種改良されたものでしょうか、それとも突然変異?
しかし、あの
真っ赤な彼岸花が持つ強烈な印象には、到底及びもつきません。
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テーマ:こころのままに - ジャンル:その他
- 2008/09/25(木) 18:45:47|
- 雑記
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| コメント:2
こちらでも今年は少し遅い開花でしたが、まだ咲きほこっています。
彼岸花についてとても興味深く読ませて頂きました。
知らなかったことがたくさん書いてあり、あの花を見る楽しみが増えました。
山口百恵さんの『曼珠沙華(まんじゅしゃげ)』という
歌があるのですが、この花を見ると私の中ではあの歌が流れます。
刈り取られた彼岸花の色、まさにそうでした。
不思議で妖しい花ですよね。
- 2010/10/09(土) 08:40:27 |
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- 葉月 #-
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葉月様
こんばんは。
コメントありがとうございます。
> こちらでも今年は少し遅い開花でしたが、まだ咲きほこっています。
こちらでも、まだまだ頑張って咲いていますよ。
開花が遅れたせいか、今年はコスモスとの共演も各地で見られ、より美しく感じます。
> 彼岸花についてとても興味深く読ませて頂きました。
> 知らなかったことがたくさん書いてあり、あの花を見る楽しみが増えました。
まあ、あちこちからかき集めてきた資料からの受け売りですがね(汗)。
でも、私はあの華-あの曼珠沙華には、“花”よりも“華”がまさに相応しい気がします-が大好きなので、昔からいろいろそういった知識を集めてきました。
> 刈り取られた彼岸花の色、まさにそうでした。
> 不思議で妖しい花ですよね。
そうですね。
他の雑草と一緒に咲き誇るので、どうしても草刈りの際に一緒に薙ぎ倒されることが多いのですが・・・。
あの色は、何とも言えない不気味さです。
美しさの中にも妖しさあふれる、それでもLMの大好きな華です。
- 2010/10/09(土) 22:20:28 |
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