
久しぶりにご紹介する駅紹介。
本日は、
因美線の
那岐駅(
鳥取県智頭町)をご紹介します。
本当は昨年紹介する予定でしたが、まさかの
PC大破によるデータ消失事件のため果たせず(汗)。
今年のGWに再訪し、やっと紹介記事を書きあげることができました。
(なお、今回はデータバックアップをとっております・汗)

(この写真のみ昨年のGWのもの。他は今年のGWのもの)


那岐駅駅舎。
赤い屋根と、焦茶色の板壁が印象的な、美しい木造駅舎です。
国道53号線が近くを走り、駅の周囲には小さな集落もありますが、周辺は山に囲まれ、
全体的に閑静なたたずまいでした。
駅の開業は1932(昭和7)年7月1日にさかのぼります。
因美線が
智頭駅から
美作河井駅間に延伸した際、設置されました。
因美線はCTC化が遅く、
タブレット閉塞が長く使われていた路線です。
それゆえ、当駅も長く有人駅であり続けましたが、2000(平成12)年に無人化されました。
駅舎には建物財産標が残っていますが、そこには昭和7年7月1日と明示されているため、駅舎自体は開業当時のもののようです。
駅舎は内装・外装とも改修が施されており、開業当時のままの姿ではない模様。
また、正面から見て右手には自転車置場?が新設されている(昨年撮影した写真には見られない)など、あちこちに手を入れられていますが、全体的には
往時の木造駅舎の面影をよく残しているといえるでしょう。


駅舎内部。
前述したように、内部も改修が施されていますが、改札口が残るなど、昔ながらの雰囲気を残している部分もあります。
待合室には本棚が置かれ、本が数十冊並べられていました。
この静かな環境で、列車を待つ間ゆっくり読書を楽しむのもいい感じですね。
LMは残念ながら時間がなかったので、そんな楽しみは味わえませんでしたが(涙)。
また、元々駅員がいた区画には、現在「
那岐診療所」が併設されています。
高齢化が進む那岐地区の住民のために、月2回、智頭町の病院から医師が来訪し、診察が行われるそうです。
詳しくは分かりませんが、内装の改修には、その診療所併設も影響しているかもしれません。



ホームに続く階段と、それを覆う旅客上屋。
駅舎と並ぶ、
那岐駅の見どころのひとつです。
那岐駅は線路が傾斜面上にあるため、駅舎からホームへは階段で連絡しています。
ただ、この付近は豪雪地帯であるためか、
階段を覆うための旅客上屋が設けられているのが特徴。
この上屋も開業当時から残る物であり、
他ではなかなか見られない貴重な構築物です。
現在、その上屋には、昔の因美線や周辺の光景を写した白黒写真が飾られ、より印象的な雰囲気になっています。


ホーム側から見た階段(旅客上屋)入口。
ホーム上の待合所としても用いられ、入口の横には椅子も置かれています。
やや奥行きの狭いその構築物は、独特の印象を与えますね。
古い駅名標と相まって、
レトロな雰囲気を醸し出しています。

那岐駅ホーム(鳥取・智頭方面を望む)。
那岐駅のホームは、前述したとおり傾斜上にあり、立地の都合からカーブした配線です。
場所が場所だけに、やや手狭な立地であるにも関わらず、
2面2線で列車交換可能な配線となっています。
両ホームは、智頭駅側にある構内踏切で接続されています。

那岐駅ホーム(津山方面を望む)。
列車本数の削減から、ホームは残されていても線路がはぎとられたり、ポイントをなくしたりして棒線化されたローカル線の無人駅が多い中に合って、
この駅の交換施設はまだ現役であり、列車交換を行う事ができます。
ちなみに、
因美線のうち、那岐駅までが鳥取県に属しており、その関係からなのか、2014年6月現在、朝の時間帯に
当駅発着・折り返し列車が1本設定されており、うち上り列車は鳥取まで直通するダイヤになっています。

駅舎の近くに残る駅員用の風呂場跡。
これにも財産標が残っており、それによって開業当時から残るものと判別できました。
こうした駅員用の施設が残っているのは珍しいことです。
以前は、駅で宿直していた駅員が使用していたのでしょう。
今は無用の長物ですが、駅の歴史を振り返るうえで、また鉄道遺産としても大切なものだと思うので、何とか残してもらいたいものです。
なお、当然のこととはいえ建物は施錠されており、
中を垣間見れないのは残念でした。

全体的に、
とても雰囲気のいい駅でした。
ことに、駅舎とホームをつなぐ階段の旅客上屋は、
木造駅舎が好きな方にはぜひお勧めしたい、一見の価値がある重厚な構築物ですね。
時間があればゆっくり滞在したいと思わせる駅でしたので、機会があればいつかまた訪問したいものです。
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テーマ:駅の写真 - ジャンル:写真
- 2014/06/21(土) 00:00:01|
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