2014.08.31(Sun):駅探訪

知和駅(1)
前回に引き続きまして、今回も因美線の駅紹介をしたいと思います。
本日ご紹介するのは、木造駅舎が魅力的な因美線の知和(ちわ)駅です。
この駅も、那岐駅美作河井駅同様、今年のGWに訪問しました。
知和駅は、2010(平成22)年7月、美作滝尾駅訪問時に一緒に訪問したのですが、その時は諸々の事情により、ゴタゴタしていて記事を書くことができませんでした。
しかし、写真が残っているので、2010年の写真も同時にお届けしていきたいと思います(特記なきものは、今回=2014年GWに撮影したもの)。

知和駅(2)

知和駅(3)
(2010年7月撮影)

知和駅駅舎。
知和駅の開業は、美作河井駅と同じ1931(昭和6)年。
津山側から敷設されてきた因美線(開業当時は因美南線)が美作加茂駅から美作河井駅まで延伸した際に開業しました。
駅舎は開業直後のもので、大変良好な状態の木造駅舎が残されています。
(建物財産票によると、駅舎の竣工は駅の開業よりも三週間ほど遅れていますが)
その保存状態の良さは、因美線内でも屈指のものといえるでしょう。
年季の入った下見板張りの外装に加え、窓枠や扉も木製のままで残されており、見ごたえがあります。
一部改修を受けているものと思いますが、ほぼ当時のままといってもよい姿であり、建築当時の面影を色濃く残しています。
この駅も、美作河井駅と同様、津山市に属していますが、この当時のままの美しい木造駅舎は観光資源のひとつと考えられており、美作河井駅同様、観光協会のHPにも登場しています。

ところで……
上の方で「一部は改修を受けているものと思いますが」と書きましたが、実は待合所側の窓枠には目に見える変化がありました。
前回訪問時(2010年)に訪問した時は、ここはアルミサッシの窓枠だったはず。
知和駅(8)
↑コレ。2010年7月撮影。写真右手、玄関横の窓枠はアルミサッシになっているのが分かります。
ところが、今回訪問してみると、なぜか木製の枠に復“されていたのです(上の方の写真参照)。
これは、写真を見比べてみて初めて気づいたことでした。
何故、わざわざサッシから木製の枠に取り換えたのかは不明ですが、上記のとおり木造駅舎が観光資源のようになっていることから、敢えて昔の姿に復元したのかもしれません(あくまで推測。詳細不明)。
ちなみに、前回、この部分の窓枠らしきものが駅員事務室の中にあったらしいのを確認しているので、それをはめなおしたのかも?
知和駅(9)
↑2010年7月撮影。木製の扉の下に窓枠らしきものが見えます。

知和駅(4)

知和駅(5)

知和駅(6)
駅は山間の静かな環境にあります。
駅の入口付近に一件の民家があるほかは、周囲の家からも離れており、秘境駅としての趣を漂わせています。
ただ、駅を出ると、正面に工場が見えるのは違和感がありますが・・・。
ホーム側から見る駅舎も美しく、良好な状態で残る木製のラッチ(改札口)や窓枠などを見ていると、ここだけ昭和の頃から時間が止まっているように感じられ、郷愁を誘う光景があふれています。
こんな秘境感漂う場所に、これほど立派な駅舎を伴う駅があるのが不思議なくらいですが、地元の人々にとって、鉄道は大切な“足”なのでしょう。
今ほど道路網が完備していない開業当時はなおのことだったのでしょうね。

知和駅(7)
駅舎内部。
外観も良い状態ですが、内部も素晴らしいものがあります。
木造駅舎を愛する者からすると、もはや芸術的な美しさです。
切符販売窓口や手小荷物窓口もきれいな状態で残されており、昭和初期の面影をよく残すものとしても貴重な存在でしょう。
資料によると、知和駅は1975(昭和45)年に津山市に無償譲渡されたとなっており、これから推測すると、美作河井駅とは違い、早くから無人化された可能性があります。
駅の管理が移管された後も、地域の人々の定期的な清掃等によって駅は守られているようで、塵ひとつおちていませんでした。

知和駅(10)
駅ホーム(津山方面を望む)。
棒線1面1線の単純な配線です。
線路の状況等から見て、美作河井駅とは違い、恐らく最初からこの配置だったと推測されます。
1面1線で列車交換がなかったことが、駅の無人化を早めたのかもしれませんね。
知和駅には、上り5本、下り6本(快速1を含む)の列車が停車します。
本数も少ないですが、時間帯の偏り方も激しく、特に上り(智頭方面)は午後12時10分発の678Dが“始発”(2014年8月現在)という、極端なダイヤになっています。
この駅の主たる利用者である地元の人の利便を考えればそう不自然な設定ではありませんが、列車で訪問する際には、この特殊なダイヤを多少考慮する必要があります。

知和駅(11)
駅ホーム(智頭・鳥取方面を望む)。
ここから智頭方面は勾配区間となっており、美作河井駅にかけてかなりの坂道を登っていくことになります。
LMは、知和駅と美作河井駅間を列車で往復しましたが、以前、蒸気機関車が走っていた頃は大変だったろうな、と偲ばれる峠道でした。

知和駅(12)

知和駅(13)
ホームの津山側には待合所が設けられています。
この待合所も1954(昭和29)年に建てられたもので、それなりに年季の入った建物ですが、今回訪問してみると待合所が以前よりきれいになっていることに気づきました。
若干の改修工事が行われたのかもしれません。
知和駅(14)
↑2010年7月撮影。壁の塗装、外灯の位置の違い等、細かい点に差異あり。
改修といえば、駅のトイレも前回訪問時に比べきれいに整備されていました。
トイレは改修というよりも建て替えに近く、完全に新しくなっていましたね。
話を待合室に戻すと、居心地のよさから行けば駅舎の中の待合室の方がはるかにいいわけですが、こちらは締切できるという利点があります。
締切できる待合室があり、トイレもきれいな状態のものがあり、しかも駅の入口(道路から駅に曲がる場所、駅に一番近い民家の前)にはジュースの自販機まで設けられている知和駅は、実は滞在環境としては意外に良好な条件が整っているといえ、駅寝の候補地としてもポイント高いのかも?(マテ)

知和駅(15)
知和駅は、前述したとおり美作滝尾駅訪問時、昨年のGW、今年のGWと3回にわたり訪問する機会に恵まれながらも、多忙やパソコン大破によりなかなか執筆する機会に恵まれませんでした。
今回、やっと駅紹介記事を書くことができ、ようやく長い間の宿題を果たした気持ちです。
因美線は良い駅が多いので、木造駅舎や秘境駅が好きな方には、ぜひ訪問していただきたい路線ですね。



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