[ 鶴の岩屋 法海寺 ]

今回は、ちょっと鉄道からは離れます。
LMの地元・佐賀県にある一風変わったスポットを紹介しましょう。
今回ご紹介するのは“
鶴の岩屋”です。

“鶴の岩屋”は、佐賀県唐津市肥前町にあります。
地元の人ですら知る人の少ないマイナーな場所です。
ちょっと入口が分かりづらい場所にあります。
道沿いの「
にあんちゃんの里」という石碑が目印で、そこから坂道を上ると目的地になります。
一応、車で上がることも可能です。

上りきった場所に、密教系寺院の
法海寺という、定住の住職さんもいない小さな寺があります。
そんな寺ですが、内部はきちんと整理され、清潔に保たれています。
そして、その祭壇の奥に、“鶴の岩屋”という「
小さな異空間」は広がるのです。



祭壇の脇からさらに奥に進むと――
そこは小さな洞窟になっており、その壁面いっぱいに、たくさんの
仏の尊像が彫り込まれています。
小さな洞窟に、仁王尊像、地蔵菩薩像、大日如来像等、120体と言われる仏の姿が一面に彫刻されています。
一つひとつは小さいものですが、壁面いっぱいに刻まれた仏の姿は、まさに
圧倒的な迫力で迫ってきます。
ここはまさに、
仏たちの織りなす小宇宙といえるでしょう。
ここは
神聖な祈りの場であり、LMも興味本位で写真を撮るだけでは罰当たりのように思えたので、御供え物をして、般若心経をひと通り読誦してから、敬虔な気持ちで撮影を行いました。

一体誰が、どれほどの労力をかけてこれほどの仏の姿を刻んだのでしょうか。
これほどの仏の彫刻がどうやって刻まれたか、実はあまりよく分かっていません。
伝説によれば、約500年ほど前に 旅の修行僧が一人で刻んだとありますが、実際に一人で刻みあげたものなのか、他に協力した修行僧がいたのか、そのあたりも分かりません。

不思議なエネルギーで満たされた洞窟内。
今風に言えば“
パワースポット”というべきでしょうか。
しかし、そんな言葉でこの場所を表現するのは軽すぎる気がします。
ここは、息苦しいような、濃密な人の“
祈り”が凝縮した空間と言えるかもしれません。

しかし、この場所には不安もあります。
砂岩質の壁面のため、
脆くて崩れやすいのです。
そのため、一部ではほとんど仏の姿が消えかかってしまっています。
特に、人の手や体がふれやすい部分では、その傾向が顕著にみられる気がします。
何らかの保存措置がとられ、いつまでもその姿を拝めるようにしてほしいものです。
スポンサーサイト
テーマ:史跡・神社・仏閣 - ジャンル:写真
- 2016/08/28(日) 00:00:01|
- その他写真(非鉄)
-
-
| コメント:0