
LMの思い出に残る駅その2は、秘境駅としてその名も高い
大井川鉄道井川線の
尾盛駅です。
残念ながら、訪問したのはまだ一度きりで、それも3年も前のことです。
しかし、短時間の滞在でも、この駅の素晴らしさは十分堪能できました。
この時は友人Kと一緒に行きましたが、近々また2人で再訪したいと計画を練っています。
この駅に「行ってみたい」と思ったのは、やはり牛山隆信さんの「秘境駅に行こう!」という本とサイト(
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/)の影響が大でしょう。
ただ、それより前に、静岡県出身で大鉄大好きっ娘でもあるY嬢からある程度の説明は受けていました。
辺りを見渡せば、南アルプス山系の山々が広がり、駅以外には人の気配すらなし。
家や車道はおろか、
歩道すらない・・・という極めつけの駅です。
獣道程度の山道はあるかもしれませんが、余程プロの登山家でもなければ、こんな所までたどり着くのは無理でしょう。
・・・が、鉄道(井川線)を使えば、誰でも何の苦もなくたどりつけてしまうわけです。
というより、事実上、たどり着くための手段は鉄道しかないという、鉄道(&駅)ファンにとってはたまらないような駅です。
しかし、さすがにこういう駅なので、事前に十分調査をして、予備知識を持ってから行きました。

大井川鉄道といえば、何といっても有名なのがSLですが、SLが走るのは大井川本線の方で、井川線は大井川本線の終着駅・千頭駅から出ています。
元はといえばダム建設のための専用路線として建設された経緯のある井川線は車両が小さく、軽便鉄道かトロッコ列車という趣です。

井川方面の運転台。
何となく素朴な感じですネ。
速度計の「
最高」速力は
40km/h( ̄▽ ̄;)
実際には、20km/h前後のトロい速度で運転します。
しかし、山岳地帯を走るせいか、スピードの割には速い気もします。
遅いけれども、ゆっくり景色を楽しめる列車です。
で、揺られ続けて1時間強、ついに尾盛駅に到着です!≧▽≦)ノ

何分こういう駅ですから、当然下車するのはLMたちだけ・・・と思いきや、他にもいたぞ、
下車客が!∑(゚∀゚;)
ナニィ!その人は登山家風のおじさんで、下車すると井川方面に向け、線路をつたいつつテクテクと歩き出しました。
ま、まさか・・・こんな所から山に入る人がいるのか!?
そりゃ、通の登山家が稀に歩いているという予備知識は得ていましたが・・・。
・・・と、それはともかくとして、気を取り直し、尾盛駅を見渡します。

「百聞は一見にしかず」と言いますが、まさにその言葉通り、素晴らしい場所です。
天気にも恵まれ、たまに聞こえるものといえば鳥のさえずりくらい。
時間があれば、一日中のんびり本でも読んでいたくなるようなのどかな駅です。
ただ、
熊が出てこないかという心配が少し(苦笑)。

尾盛駅ホーム。
ちょっと見た目には、
砂場のようにしか見えません(;´Д`)

ホームに飾られている
狸の像。
この辺りには野生の狸もいそうな気がしますが、本物が見たらどう思うのでしょうか( ̄▽ ̄;)
それにしても、大井川鉄道にはこうした狸の像が各地に飾ってあります。
何の意味があるのでしょう? お守りか何かでしょうか?
いずれにしても、こんな誰もいない駅に狸の像があるのは違和感を感じます(苦笑)。
なお、小屋のような駅舎は鍵がかかっていて中には入れませんが、雨除けのひさしがあり、その下に椅子が置かれています。
(写真では、真ん中の木の右側付近)
・・・しかし、こんな誰も利用しない駅に、井川線の列車はよく全列車停車するよなぁと感心してしまいました。
ふと見ると、さっきの登山家風のおじさんがこちらに歩いて来ます。
こんな駅で降りるなんて、一体どんな用事があったのでしょうか?
そう思っていると、向こうから話しかけられました。
考えてみれば、こんな山の中の駅に降り立ち(しかも軽装)、降りた後は辺りの写真をひたすら撮っているだけ、というLMたちは、不審者(?)に思えなくもありません(-_-;)
そんな不審者一歩手前の私たちに話しかけてきたのは、やはり相手もLMたちが何故こんな所に降り立ったのか、興味が湧いたからかもしれません(?)。
それによると、その人は
中部電力の関係の方らしく、線路が敷設されている土地の確認をして回っておられるようでした(土地の保全確認か何か?)。
そう、前にも書きましたが、この線区は元々ダム建設用の路線なので、鉄道資産は中部電力が保有しているのです。
一応、そういう事情も予備知識としては知っていましたが、まさか関係者に会えるとはっ!
向こうも、LMがそういう事情(同線の資産を中部電力が保有していることや、赤字を負担していることなど)を知っていることに驚かれているようでした。
しかしまあ、その方にとって何よりの驚きは、こんな所までわざわざ駅を見に来たLMたちかもしれません。
『世の中には変わった人がいるものだねぇ・・・』と言いたそうな顔でした(苦笑)。
後で、職場で話のタネにされたかも(;´Д`)
その方は、装備が登山家風なのはもちろん、様々な薬類もしっかり持ち合わせ、まさに「完全武装」といった感じでした。
3年前のことなのでややうろ覚えなのですが、確かマムシに噛まれた時の血清まで持っていたような気が・・・。
ともあれ、LMたちとその方の話は弾み、あっという間に帰りの列車が来る時間になりました。
その列車は、尾盛駅から3人の乗客を拾ったことになりますが・・・。
運転士や車掌は、普段なら限りなく乗降客ゼロの尾盛駅から“
3人も”乗客があったことに驚いたかもしれません(苦笑)。
その方はまだ他の仕事があるのか、次の接阻峡温泉駅で下車されました。
別れ際、お互い名残を惜しみ、長く手を振り合いました。
傍から見ると、長年の知り合いのように見えたことでしょう。
そう、鉄道の旅は、こんな思わぬ出会いに満ちているものなのです。
スポンサーサイト
テーマ:鉄道旅行 - ジャンル:旅行
- 2008/09/05(金) 02:14:11|
- 駅探訪
-
-
| コメント:2
筑肥線の記事の件、4月28日アップの私の記事でLM様のお名前を掲載させていただきます。ヨロシクお願いいたします。
ところで・・・尾盛に行かれましたか!2008年9月の訪問のようですが、実は私も初訪が2008年7月31日なのですよ!かなりの「ニアミス」ですね。
私の訪問時は夏真っ盛りで、少々「蜂」に威嚇されました。攻撃はしてこなかったのですが、自身の縄張りにいる異種の生物が目障りだったのでしょう。それと、例の「狸」付近には蛇と思われる抜け殻が無造作にありました・・・もう「駅」と言うよりは完全に「ジャングル」ですね。
しかしながらLM様も「ウッシー」の影響があったのですね。もちろん私もそうですが、LM様もしっかりと下調べをなさってから訪問してらっしゃるのは実に素晴らしいです。場所が場所だけに、安易に「観光気分」では決して訪問してはならないと思います。実際に私も下調べは十分にしましたが「蜂」は想定外でした。
しかしながら、そんな中でも想定外の「出会い」があるのも旅の醍醐味かも知れません。LM様の「電力関係者」と言うのも想定外でしたね。
- 2014/04/25(金) 06:48:48 |
- URL |
- ダイヤモンド☆トナカイ #-
- [ 編集 ]
こんにちは。
コメントありがとうございます。
4月28日にアップの予定なのですね。
御報告ありがとうございます。
尾盛駅行きました。
ついこの間のようでしたが、だいぶ間があいてしまいましたね~。
もう一度訪問してみたい場所です。
場所が場所だけに、十分下調べをして装備を整えていても不安でして・・・。
エアガンでも持ち込みたいくらいでした(汗)。
軽々しくは行ってはいけない場所ですね。
何かあったとしても、簡単には助けを呼べない場所なので。
牛島さんの影響は多分にありますね。
元々駅は好き、そして秘境的な駅も好きでしたが、あの本で自分の方向性がより明確になったというか、本来の自分の好きなものの輪郭がよりハッキリしたというか。
電力会社の方は完全に想定外でしたね。
最初は、「自分たちだけの世界」になるはずが、他人が入ってきたので、ちょっと残念に思ったりしたのですが・・・。
話が弾んで、思いのほか楽しい出会いになりました。
前回の北海道旅行もそうですけど、思いもよらぬ出会いというのは、あちこちに転がっているものですね。
- 2014/04/26(土) 13:42:47 |
- URL |
- LM #-
- [ 編集 ]