いよいよ、舞台を
木次線に移します。
まずは、
芸備線・木次線の分岐駅である
備後落合駅を紹介します。
本当なら立ち寄らないはずでしたが、思わぬ理由から足を運ぶことになります・・・。

三江線の取材を終え、ようやく木次線方面に向かったのは、既に
20時を回った頃でした。
LMの事前計画では、当初芸備線から木次線に入る計画でしたが、列車のダイヤ上、木次線に乗車するのは
出雲横田駅からが望ましいと考えたため、三次から
国道183号線を庄原方面にひた走り、途中で奥出雲方面に延びる
国道314号線に入る――という計画を立てました。
さて、いよいよ国道の分岐点が近付いてきた頃、確認のため地図を見ると、
国道合流点の少し先に備後落合駅があることに気付きました。
既に道は山間に差しかかっていますが、ここから先はさらなる山道であり、コンビニ等もあるとは思えないので、念のためトイレを借りておこうと思い、駅に向かいました。
※LMたちは、田舎に旅立つと、よく
駅のトイレを拝借します(苦笑)。

というわけで、やってきました備後落合駅。
以前から、
本などで何度も名前を見たことはあるものの、
訪問するのはこれが初めてです。
初めてきた備後落合駅は、LMの
事前予想を大きく覆すものでした。
昔からローカル線や駅紹介の本などの親しんでいたLM。
その中で、備後落合駅はたびたび登場し、一度は行ってみたいと憧れていました。
本で出てくるたび、何度も時刻表で位置を確かめ、そして「どんな駅なんだろう」と、行ったこともない山間のこの駅を勝手にイメージして楽しんでいました。
そのイメージは・・・
(1) 山に囲まれたところにあり、峠を越えた先にある小さな平地にある
(2) かつては急行が停車していた由緒ある駅だけに、周囲にはそれなりの人家や商店がある
・・・というものです。ホントに
勝手な想像ですが。
ところが、実際には土手の上というか、少し
高台になった場所に駅はありました。
山に囲まれているというところは間違っていませんでしたが。
駅前に家はありますが、それは事前の予想からするとかなり少ないものでした。
駅は無人で、何とも言えない寂寥感にあふれています。
しかし、幸いにも駅舎内の照明は過剰なくらい明るく灯っており、トイレも無事に借りることができました(笑)。

備後落合駅ホーム。
到着時は既に21時も半ばを回っていました。
駅を出発する列車の最終は、確か20時台のはず(到着列車では22時台のものもありますが)。
しかし、駅のホームでは、
キハ120が盛大なディーゼル音を響かせながら止まっていました。
なまじ周囲が静寂に包まれているだけに、普段は気にもならないその音が、
いやに甲高く聞こえます。
照明を落としているところを見ると、明日に備えて夜間停泊しているのでしょうか。
そのディーゼル音に混じって、駅の近くを流れる
川の音もよく聞こえてきます。
静寂に包まれた夜だからかもしれませんが。

ホームを少し歩いてみます。
闇に光る信号が、何故か旅情を誘います。
暗いのでよく分かりませんが、駅前から見た印象に比べ、実際にホームに立ってみると、思ったより広い敷地があるように感じます。その一角に、除雪によって山積みになったらしい雪山があり、それを見て少し寒さを感じてきました。すでに平地では昼は2ケタ、夜でも7~9度前後あるというのに、この駅は軽く5度は下回っていそうです。
ずっと昔から印象深くこの駅を想像し続けてきたLM。
本来なら、この駅から列車に乗りたかったのですが、起点を出雲横田駅に変更したため、それもできなくなりました。
せめてもの思い出にと、現実の備後落合駅を胸に刻むように眺めていました。
夜に来たということもあり、何となく
感傷的な気持ちになります。
・・・しかし、こんな時間、列車も来ないホームをうろつき回っている様を誰かに見られたら、どう見ても
ただの怪しい人にしか見えませんね( ̄▽ ̄;)
警察から
職務質問されても
文句は言えない(苦笑)。


ホームから見た駅舎と、その内部。
今は無人駅ですが、以前、急行が走っていた頃は、この駅舎も賑わっていたのでしょうか。
今は、かつての
改札口と思しき場所等も封じられ、何となく寂しく感じます。
しかし、駅内部は割ときれいに保たれており、時間的な都合と、迫りくる夜の寒さ(笑)さえなければ、もっとゆっくりしていきたいとさえ感じました。

今回は、残念ながら夜のみの訪問となってしまいました。
しかし、子供の頃から行きたいと思い続けていたこの駅を訪問できて、本当に良かったと思います。
少し寄り道でしたが、来た甲斐はありました。
今度はぜひ、昼間に来たいです。
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テーマ:駅の風景 - ジャンル:旅行
- 2009/03/06(金) 00:00:01|
- 駅探訪
-
-
| コメント:4
いや~備後落合駅!かれこれ何年前になるでしょうかねぇ~とても懐かしいですよ!
年末年始に出雲へ旅行をした際に、足を運んだ事があります!
広い構内に程よく存在感のある駅舎は、とても印象に残っています!
今でこそ無人駅になってしまいましたが、急行が走っていた時代には「おでんそば」(うどんだったかも)という名物があったようです。
また足を運んでみたいのですが、出雲市や松江からでも結構ここまで距離がありますからねぇ…でも、足を運べればと思っていますよ!
- 2009/03/06(金) 21:35:10 |
- URL |
- 誠 #-
- [ 編集 ]
こんばんは、誠様。
コメントありがとうございます。
> いや~備後落合駅!かれこれ何年前になるでしょうかねぇ~とても懐かしいですよ!
> 年末年始に出雲へ旅行をした際に、足を運んだ事があります!
そうなんですね。
私は今回が初めてです。
本なんかで見たことは何回もあるんですが・・・。
> 急行が走っていた時代には「おでんそば」(うどんだったかも)という名物があったようです。
らしいですね。
もっとも、私も「おでんそば」がどんなものなのかは知らないのですが・・・。
想像すると、ちょっと“コワい料理”が思い浮かぶのですが・・・(苦笑)。
> 出雲市や松江からでも結構ここまで距離がありますからねぇ…
それは確かに。木次まで高速を使えば少しはショートカットになるかもしれませんが、距離が短いですからねぇ・・・。でも、苦労して行く価値はあると思います。
- 2009/03/06(金) 22:58:46 |
- URL |
- LM #-
- [ 編集 ]
こんばんは。
長年訪れてみたかった駅を訪問できてよかったですね!
駅に対するイメージって、駅がある場所や駅名から想像することが多いですが、
やっぱり想像とは違っていることが多いです笑
駅のトイレ、私的に気になる駅のトイレを見るというのは大切な気がします。
昔からある駅で、駅舎は改装やペンキ塗り替えで当時のものを見れないというのは少なからずあると思いますが、 トイレは開業当時って物が多い気がします。
- 2009/03/07(土) 23:34:48 |
- URL |
- コスモス #-
- [ 編集 ]
こんばんは。
コスモス様、ようこそいらっしゃいました。
コメントありがとうございます。
お受けしたコメント、少し操作させていただきました(笑)。
> 長年訪れてみたかった駅を訪問できてよかったですね!
そうですね~、憧れでしたから。
やっぱり、昔、本などで見て、印象に残った駅を訪問するのは楽しいですね。
> 駅に対するイメージって、駅がある場所や駅名から想像することが多いですが、
> やっぱり想像とは違っていることが多いです笑
私の場合は、昔読んでいた駅関係の本から受けた印象が大きいですね。
本には写真も載ってはいますが、やはり実際訪問した時のイメージとは違うわけで。
そのギャップを楽しめることもありますが、悲しくなることもありますね(苦笑)。
宇都井駅など、ほぼ想像通りだった駅もありますが。
> 駅のトイレ、私的に気になる駅のトイレを見るというのは大切な気がします。
> 昔からある駅で、駅舎は改装やペンキ塗り替えで当時のものを見れないというのは少なからずあると思いますが、 トイレは開業当時って物が多い気がします。
ありますね、たまに。
「これ、いつ築造のトイレだよ!?」と言いたくなるようなトイレが。
駅のトイレについて、一つの分野として研究すれば面白い論文が書けそうですが・・・。
私はやめておきます(笑)。
- 2009/03/07(土) 23:42:39 |
- URL |
- LM #-
- [ 編集 ]