
いよいよ
三江線各駅紹介の再開です。
今回は、
三江線の
伊賀和志駅を紹介します。

伊賀和志駅遠景。
駅は
高台に設けられています。
周囲には集落があり、それなりの人家があります。

駅の入口付近。
コンクリートと鉄骨で固められた駅は、
緑に包まれた自然豊かな周りの景色の中でいかにも
不自然な感じに映ります。
また、ローカル線でありながら、いまひとつ“優しさ”というか“温かさ”というか、
田舎の駅が備えている風情を持ち合わせていない気がします。
それもある意味では道理で、この駅を含む口羽~浜原間の開通は三江線の中でも最も遅い1975年。
当時、最新の技術で造られたこの区間の駅は、
どこも似たようなコンクリート造りの駅になっているのです。
実際、同じ区間にある駅のうち、以前紹介した
潮駅も、構造物などの造りはほとんど同じであることが分かります。
潮駅はまだ目前の川景色があるので幾分安らぎますが、この駅では
重苦しさの方が先に来ます。

待合所内部。
コンクリート造りの狭い室内は、無機質で殺風景な感じがします。
そんな重苦しさをわずかながら緩和してくれているのが、
椅子に並べてある座布団です。
この座布団はまるで“
三江線名物”ででもあるかのように各駅に置かれていますが、特にコンクリート造りの冷たい感じのする待合所で見かけると、何だかホッとするものを感じます。


高台にあるホーム。
ここまで少々悪い評価ばかりになってしまいましたが、後にこの駅で田舎らしいほのぼのした光景を見て、少し印象が変わりました。
この駅を撮影した別の日、列車でこの駅を通ったときのこと。
停車する列車に合わせて、ホームに可愛らしい小さな女の子が2人駆け上がってきました。
乗車客かと思いきや、
手にカメラを抱え(!)、列車を撮っていました。
地元の子供かと思いましたが、GW中だったので、里帰りした親についてきた子供たちだったのかもしれません。
子供たちは列車に手を振り、運転手も軽く手を振って応えていました。
少し重苦しい感じの駅が、
一気に優しい空気を帯びた瞬間でした。
同時に、少し反省もありました。
・・・
見た目の印象だけで、その駅の印象を決めつけられるものではない。それ以降、どちらかといえばあまり良い印象ではなかったこの駅を、少し違った目で見ることができるようになりました。


伊賀和志駅ホーム。
上が三好・口羽方面、下が浜原・江津方面です。
写真を見てお分かりのとおり、
トンネルに挟まれた駅になっています。
このことは、この駅がいかに山深い場所にあるかを証明するものですが、もうひとつこの区間の特徴を表しています。
というのも、前述の通り、この区間は
三江線で一番最後に開通した区間です。
建設に当たった
日本鉄道建設公団(鉄道公団、または鉄建公団とも)は、
可能な限りトンネルで最短ルートをとる、立体交差で踏切をなくす――など、この区間に当時の最先端技術を導入。
このため、この区間はトンネルが多くなっており、また、路線が高い場所に設置され、踏切と交差することもありません。
これらの事由から、他の区間ではやたら「
制限30」の速度制限が乱立し、一向にスピードを出せない鈍足列車も、この区間だけは高速走行ができるのです。
三江線のこの区間における
キハ120の走りっぷりは、まさに他の区間のそれとは別物。
時速80キロ超のスピードを発揮し、トンネル内では凄まじいエンジン音を唸らせ、坂道も難なく越える軽快な走りを見せてくれます。
他の区間では
ノロノロ運転のため乗っているこちらもイライラしそうな気分になりますが、この区間の走りは、そんな鬱積した気持ちを爽快にしてくれます。
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テーマ:駅の風景 - ジャンル:旅行
- 2009/05/09(土) 00:00:01|
- 駅紹介・三江線編
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| コメント:2
こんばんは、visual palette様。
ご訪問ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
> 駅名板の写真がいつも水平で画面一杯に撮影
・・・できていません(苦笑)。
写真加工ソフトで調整しているだけです。
見た目には分からなくても、パソコンで見ると歪みがひどいものですね・・・。
ノーマルなレンズ1本しかないので解決策がなく、できるだけ望遠で撮ったりして、歪みが少しでも出ないよう心がけてはいますが・・・。
- 2009/05/09(土) 01:04:12 |
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