今回の旅路:札幌(北海道)~京都(京都府)[ 4日目/トワイライトEXP車内 ]


A個室ロイヤルから見た風景。
トワイライトエクスプレスは、基本的に、その名の由来である
日本海の“トワイライトタイム”――つまり、黄昏時を眺望することを第一に考えて作られています。
トワイライトEXPで
日本海を身近に眺められるのは新潟~秋田付近になりますが、ここの
夕陽を眺められるのは下り札幌行であり、
上り大阪行がこの区間を通る時は完全に真夜中です。
その代わり、上り列車では
内浦湾(噴火湾)の美しい夕景が眺められるわけですが・・・。
ここにひとつ問題があります。
先述したように、トワイライトEXPは日本海の眺めを眺望することを第一の目的としているため、
個室等の窓も基本的に日本海側に開く形になっています。
※一部の個室では例外あり。
ところが、この配置だと、
噴火湾とは逆向きになってしまいます。
そのため、道内においては、内陸側ばかり見える形になってしまうのです。
まあ、内陸側の景色とは言っても、そこはさすがに北海道ですから、特に冬期は、北海道らしい雪景色を見れて悪くはないのですが・・・。
せっかく美しい噴火湾沿いを走っているのですから、
やっぱり海沿いの景色を見てみたいですよね。
どうしても部屋に居ながら噴火湾を見たい場合、ドアを開け放つか、ロイヤルの場合は反対側に小さな窓があるので、そこから眺めるくらいですが・・・。
部屋の窓から見るよりも明らかに眺望は悪いですし、しかも
部屋の中が丸見えになってあまり気持ちよくはありませんしねぇ・・・。



というわけで、仕方ないので廊下に出て海沿いの景色を撮影します。
やはり、
夕暮れ時の噴火湾は美しいですね。
何とも表現しがたい、
荘厳で神秘的なまでの美しさがあります。
この景色が部屋で見られないのは、つくづく残念です(T-T)
なお、この写真を撮影した1月頃だと噴火湾沿いを走っている頃に陽が暮れますが、夏期になると
大沼公園付近辺りで“
トワイライトタイム”を迎えることになります。
この湖面を彩る美しい夕景は、部屋の中からでも眺めることができます。
ちなみに、最も陽の長い頃ならば、
五稜郭の先の津軽海峡付近で陽が沈む様を見ることができるとか。
それならば個室内からも楽しむことができることになりますね。

列車は、海沿いの駅として有名な
北船岡駅に近づきます。
この駅は、今回の北海道旅行でぜひとも行きたいと思っていました。
駅としての魅力ももちろんありますが、できれば
走行中のトワイライトEXPをどこかで撮りたいと考えており、この駅が第一候補でした。
しかし、今回の旅程で最優先されるのは、
宗谷本線の駅巡りです。
何とかどちらも訪問できるプランを――と思い、ギリギリまで行程を考え抜いたのですが・・・。
どうしても
両立する計画を立てることができず、今回の訪問は断念することに(ノД`)
結果、
トワイライトEXPの走行シーンも取れずじまいでした(涙)。
でも、せっかくなので、せめてトワイライトEXPの車中から駅を入れて記念撮影を――と思い、携帯電話のGPSで列車の位置を確認しながら、機会を伺っていました。
ところが・・・。
貨物列車が、その長い編成で駅を完全に覆い尽くしており、見事撃沈!。゚(ノД`)゚。
これまでトワイライトEXPで通過した時は、ここに列車が待避していた事はなかったのですが・・・。
ダイヤが変わったのか、それとも臨時でそうなっていたのか・・・。
いずれにしても、期待していたLMにとっては、とても残念な結果になりました(ノД`)

4号車の「
サロンデュノール」(Salon du Nord)。
天井まで回り込んだ大型の窓が特徴的な、
展望に優れたサロンカーです。
ここは
乗客なら誰でも利用できるフリースペースで、乗客同士の“
社交場”、つまり語らいの場になっています。
昼間はいつ来ても大勢の客の賑やかな会話が室内を包んでいます。
座席は日本海側に向けられており、下り列車の黄昏時なら、正面を向いて座っていれば、どの席からも日本海の美麗な夕暮れを堪能できます。
しかし、既述の通り、噴火湾は向きが反対のため、海沿いの景色は背面になってしまいます。
それでも、ソファー席なら十分眺めを楽しめるので、個室にいるよりはここに来た方が眺めを楽しめるでしょう。
ただ、
フリースペースゆえに混み合うことも多く、席に座れないことも多々あります。
特に、列車が日本海(下り)or噴火湾(上り)沿いを走る時間帯は、どうしてもここに来る客が多いようです。

なお、このサロンデュノールにはテレビがあってビデオ放映を行っているほか、札幌側の車端区画(写真奥)に
飲み物類の自販機、
シャワー室等の設備があります。
以前は公衆電話があったのですが、
平成22年3月13日のダイヤ改正で廃止されたそうです。
飲料の自販機は、ここのほか7号車にもありますが、つまみなど菓子類の自販機はここのみです。
シャワー室については、
A個室の客は個室に専用のシャワー室が併設されているので問題ありませんが、B寝台の客がシャワーを浴びたい場合は、ここの共用シャワー室を利用することになります。
シャワー室は予約制で、利用する際には、
シャワーカード(310円)を購入する必要があります。
1人につき30分室内を占有できますが、お湯は6分間しか出ません。
やはり、A個室で使える時間とは、だいぶ差があるようです・・・。


普段は賑わうサロンデュノールも、さすがに深夜には誰もいなくなります。
この広い空間を本当に占有したい人は、深夜や早朝に訪れてみてはいかがでしょうか。
誰にも邪魔されることなく、ゆったりと物思いにひたることができます。
もちろん、写真撮影をするにも最適です(笑)。
ただ、この室内は照明が明るすぎるので、夜間に外の流れゆく景色を眺望するのにはあまり向いていません。

車内をしばらく夜間徘徊(?)した後は、部屋にこもり、ゆったりとくつろぎながら外の景色を楽しみます。
LMたちの“車窓を楽しむ旅”は、深夜もまだまだ続くのです。
上りトワイライトEXPの場合、パブタイムが始まる21時頃には、既に列車は青函トンネルを抜け切り、青森に入っています。
大好きな北海道との別れ――その寂しい気持ちを慰めてくれるのが、深夜、秋田を越えた辺りから始まる
海の景色。
普通の列車なら、夜の海を見たところで何も見えないでしょうが・・・。
個室の良い点は、
自分で電灯を調整できること。
電灯を完全消灯すれば、普通の列車では照明が窓ガラスに反射してうまく見れない夜景を、心ゆくまで堪能できます。
特に、月が明々と水面を照らす夜は、海が美しく輝き、何とも表現しがたい荘厳で神秘的な光景になります。
本当ならそのまま翌朝6時前後に通過する
青海川駅まで起きていたかったのですが、さすがに無理でした(汗)。

独特の美しさで楽しませてくれる夜の海。
目で楽しむだけでなく、
ぜひとも写真にも記録したいものですが・・・。
しかし、さすがに動いている車中から、
流れゆく夜の海を撮影するのは困難を伴います。
一応試してみましたが、LMの技術では到底無理でした・・・(T-T)
何とか撮れるのは、せいぜい
停車中の駅くらいでしたね。

窓の外を流れゆく夜景を見ながら、LMとKは
ワインで祝杯をあげます。
何の祝杯か――と言われても困りますが、まあいろいろと(笑)。
ただ、その理由のひとつに「また今回も北海道へ行けて良かった」というものがあるのは間違いないでしょう。
今回の場合「ロイヤルが取れて良かった」というのもあるかもしれませんがね(笑)。
しかし、楽しいこの旅も、
列車がひた走る度に少しずつ終わりへと近づいているのです。
まだ、もっとこの旅を楽しみたい――そう心の中で叫んでも、無情に迫って来る別れの時。
この杯は、祝杯であると同時に、
トワイライトEXPという愛すべき列車との別れを惜しむ杯でもあります。
別れと言っても、まだ列車が目的地に着くには10時間以上もある(!)のですが、感覚的に、
本州に入った後は時間の経過がとても早い気がします。
間に睡眠時間が入るので、そういう風に錯覚するというのもあるのでしょうが・・・。
LMの場合、十数回を数える北海道旅行の帰路はほとんどトワイライトEXP利用のため、本州に入ると「いよいよ、楽しかった北海道旅行も終わりだ」という
感傷的な気持ちになるのも一因なのでしょう。
そんな感傷的な心をワインで癒やしつつ、酔いが回って自然に寝入るまで、海沿いの夜景を眺め続けました。
スポンサーサイト
テーマ:鉄道旅行 - ジャンル:旅行
- 2010/03/02(火) 00:00:01|
- 鉄道旅行
-
-
| コメント:2
あやか様
こんばんは。
コメントありがとうございます。
諸事情により多忙だったため、返信が大幅に遅れました。
申し訳ありません・・・。
> 夕暮れ時の噴火湾、いいですね♪
> 素敵な列車の中で海を眺めることは
> とてもロマンチックな感じがいたします(笑)
はい。とても素敵な光景ですよ。
私の写真が上手なら、もっといいのですが(汗)。
> 旅行が終わりに近づいた時の心の寂しさは…
> 私も分かる気がいたします。。(笑)
あやか様もお分かりになりますか~。
北海道旅行の時は、特別終わりを迎えるのを寂しく感じますね。
楽しい旅行が終わる寂しさに加え、仕事が待つ現実へ戻る憂鬱さも加わり、かなりブルーな気持ちになります。
- 2010/04/06(火) 03:46:05 |
- URL |
- #-
- [ 編集 ]