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2010.09.10(Fri):駅探訪

美作滝尾駅(1)
三江線関連の記事、もうしばらく続きますが……。
あまり連続すると飽きてくるので(笑)、今日は久しぶりに駅紹介をしたいと思います。
以前、コチラの記事で紹介していた美作滝尾駅です。
美作滝尾駅はすっかりLMお気に入りの駅になったため、少々解説が長くなりました。
そのため、2回に分けてお届けします。
ちなみに、駅名に「美作」がつくのは、この駅に先立って豊肥本線滝尾駅が開業していたためと言われています。

美作滝尾駅(2)

美作滝尾駅(3)

美作滝尾駅(4)
美作滝尾駅駅舎。
この日は気持ちよく晴れましたが・・・。
地元の人の話では、前日は物凄い豪雨で大変だったそうです。
実際、前日の夜からこの駅を目指したLMたちも、途中、かなりひどい雨にたたられ、訪問を危ぶむほどでした。
しかし、この駅に近づくにつれて天気は回復、駅到着後は完全な晴天に。
LMたちは、ちょうどよい時にこの駅に巡り合えたのでした。
ただ、この素晴らしい好天が、思わぬことでLMたちを悩ませます。
LMたちは早朝(朝6時頃)から撮影を始めましたが、正面から駅舎を撮影すると、位置的に、モロ逆光になってしまったのです(汗)。
特徴的な赤瓦は、太陽光を強烈に反射するため、より厳しい状態に・・・。
しかも、屋根の下の木板部分は黒っぽいため暗く写り、屋根との明暗がつきすぎて、余計調整を難航させます。
滞在時間を延ばしたにも関わらず、納得いく写真は1枚もない有様(滝汗)。
またいつか、リベンジのため撮影に行きたいです。

美作滝尾駅(5)

美作滝尾駅(6)
駅舎自体の印象ですが・・・。
こうした木造駅舎が大好きなLMにとってはまさに“最高の駅舎”でした。
とにかく「素晴らしい」「美しい」としか言葉にできません。
駅開業は1928(昭和3)年、美作加茂~津山間が開業した際に設置されました。
駅舎は木造平屋建て67平方メートルで、待合室のほかに今は使われていない事務所、宿直室があります。
この駅舎の特徴として挙げられるのが、開業以来、ほとんど手を加えられることがなかったこと。
地元の方に聞いても、昔からほとんど変わることなく存在していたとか。
当時の風情を今に残す、大変貴重なこの駅舎は、“鉄道遺産”としても大切なものなのです。
その価値が認められ、2008(平成20)年11月には登録有形文化財(第33-0169号)にも登録されています。
とは言え、駅自体の雰囲気は“登録有形文化財”などという堅苦しいものではありません。
訪問すれば分かりますが、木造駅舎らしい優しさ、温かさを感じることができることでしょう。

美作滝尾駅(7)

チョイ記事(1)
この駅舎は、有名な「男はつらいよ」シリーズのロケ地になったことでも知られています。
この駅が登場するのは、シリーズ最終作の「男はつらいよ 寅次郎紅の花」。
冒頭、寅さん(渥美清さん)が切符を買うシーンが撮影されています。
当初、撮影に渥美さんが出演される予定はなかったそうです。
しかし、同シリーズを手掛けた山田洋次監督が、寅さんの似合う景色として気に入られ、出演が決まったのでした。
ちなみに、駅前には、撮影が行われたことを記念した碑も建てられています。

美作滝尾駅(8)

美作滝尾駅(9)

美作滝尾駅(10)
駅舎内部。
外観も素晴らしい駅舎ですが、内部の光景も期待を裏切りません
待合室内は、木造らしい優しさと温かさに満ちあふれ、心地よい居心地です。
地元の人にとっても居心地がいいのか、散歩の途中と見られる人が何度か駅舎内でくつろがれていました。
今でもかけられたままになっている「小荷物取扱所」の看板もいい味を出しています。
ちなみに、前述したとおり駅は無人ですが、少し離れた場所にあるJA(農協)で切符を購入できるようになっています。
(もっとも、土日など事務所が休みの日は買えませんが;)
室内には「男はつらいよ」のロケの際のものと思われる写真が何枚も飾られ、撮影時の様子を偲ぶことができます。
・・・関係ない話ですが、今回の美作滝尾駅撮影は、広角レンズでの駅撮影デビュー戦でもありました。
特に以前から、駅舎内の撮影にはいろいろ苦労させられましたが・・・。
今回は広角レンズの威力で、楽に室内撮影ができました。
やはり、駅舎撮影に広角レンズがあるととても便利です。

美作滝尾駅(11)

美作滝尾駅(12)
開業以来、かれこれ80年以上経っているわけですが・・・。
とてもそんな風には思えない、手入れの行き届いた駅です。
これもひとえに、地元・堀坂(津山市)の皆さんの力によるものでしょう。
以下、駅に飾られていた各種の新聞記事からの情報ですが・・・。
堀坂町内会が配布した「わがまちの史跡」という冊子によると、合理化に伴い駅は無人化。
その際、一度は駅舎撤去の話も出たとか。
しかし、地元の強い要望で、駅舎は市に払い下げられました。
今は地元の運営委員会が管理されているそうです。
また、毎週日曜日にはボランティアで清掃や花壇の手入れが行われています。
実際、写真撮影中にも、ボランティアの方と思われる皆さんが清掃や手入れをされていました。
そのうちの一人と話が合い、駅についてのいろいろな話を聞くことができました。
以前は駅舎に数人の駅員がいたこと。
今は津山市清泉公民館となっている場所に駅員の宿舎があったこと。
「男はつらいよ」の撮影の際、渥美さんはもう相当体調が悪化されていたことは知られていますが、実際にロケを目撃した際、かなり辛そうな様子で、撮影の合間には横になられて休まれていたこと。
駅前の田んぼで、収穫期には「寅さん」の姿が浮き出てくるよう様々な品種の稲を植えていること(写真下)
美作滝尾駅(14)
・・・等々、話は尽きませんでした。
この方も、他に話をうかがった方にも共通して感じられたことですが・・・。
みんな、この駅を誇りに思い、愛しておられるのだな、と心意気がひしひしと伝わって来るのを感じたものです。

美作滝尾駅(15)

美作滝尾駅(13)

美作滝尾駅(16)
年季を経た椅子に座ると、不思議に心が落ち着きます。
無人にも関わらず、きれいに飾られた花が彩りを添えます。
入口から外を望めば、優しい農村光景が広がっています。
田んぼの広がる光景というのは、特別珍しいものではありませんが・・・。
この駅の椅子に腰かけて外を見ると、何故かその景色が優しく見えてくるのです。
外は暑くてたまらない状態になっているにも関わらず、待合室内を吹きぬける涼しげな風。
ここだけ時がとまったかのような、居眠りしたくなるような待合室の雰囲気。
まるで、この待合室の中だけ別世界のような空気を感じました。
この日、かなり長くこの駅に滞在しましたが、少しも退屈を感じませんでした。
それどころか、もっと長くいたいと感じたくらいです。
いつか、この駅でゆっくり1日を潰せるような、(時間的に)“贅沢”な訪問をしてみたいと思いました。

(2)へ続く


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