石北本線の駅紹介シリーズ、本日は
旧白滝駅をご紹介致します。
この駅につきましては、「
2011 北海道旅行記」でも紹介しておらず、
先日の北海道旅行でも訪問していません。
しかし、それとは別の時期に訪問する機会を得られたので、ここで紹介したいと思います。


旧白滝駅全景。
1面1線の棒線配置に小さな待合室だけで構成され、写真1枚で全景を説明できます(笑)。
この旧白滝駅も“白滝シリーズ”“白滝の秘境駅御三家”の一角を占めているわけですが・・・。
それだけに、他の駅同様、
訪問はなかなか難しいものがあります。
この駅に停車する列車は、
下白滝駅に停車する列車と全く同じ。
即ち、
上り3本(
4624D、4626D、4628D)、
下り1本(
4621D)です。
あの
破滅的訪問難易度を誇る上白滝駅よりは“
若干”ましですが、やはり訪問するのは困難と言えるでしょう。
ちなみに、LMの場合、タクシー頼りだった他の駅とは異なり、この駅だけは列車で訪問することがかないました。
訪問の組み立ては、4624D(14:08旧白滝着、旧白滝駅では、上りはこの列車が始発(!))→4626D(16:53旧白滝発)です。


旧白滝駅待合所。
他の白滝の駅(白滝駅含む)は、古いながらも立派な駅舎が存在しますが・・・。
この駅に限っては、
待合所クラスの小さな小屋のような建物しかありません。
それは、この駅の出自にもよるのでしょう。
れっきとした駅として誕生した他の白滝の駅とは異なり、旧白滝は、当初、
仮乗降場として開設されたのです。
設置された時期も、他の駅に比べるとやや遅く、
旧白滝仮乗降場として開業したのは1947(昭和22)年のこと。
さらに、駅に昇格したのは、JRとなった1987(昭和62)年のことでした。


待合所内部。
この日は晴れていたせいもあり、
室内にいるとポカポカと温かく、心地よい環境でした。
あまりの気持ちよさに、思わずうたた寝していたほどです(汗)。
外壁はもちろんですが、内壁にもこの駅が積み重ねてきた歴史を感じます。
吹雪が吹き付けたらスッ飛んでいきそうな、ちっぽけな建物ですが・・・。
その実、この駅を利用する人を、雨の日も雪の日も、そして吹雪の日も、しっかり守って来たのです。
こんな小さな建物でも、厳しい寒さに支配される北海道では、心強く感じます。

駅周辺。
駅周辺は閑散としており、わずかに家が見えるだけです。
旧白滝――「旧」のつくその地名からしてうら寂しい気がする、侘しい土地。
それは、名前のせいだけでなく、この地が“
人が去った”“
棄てられた”土地であるからかもしれません。
元々、旧白滝付近は、
白滝周辺で最初に入植者の入った場所だったと言われています。
しかし、この地が栄えることはありませんでした。
気象の故か、地質の故か――
詳しい理由は不明ですが、
この地は人が住むのに適した場所とはいえなかったのでしょう。
人々は、土地の悪さを嫌って次々と移転してしまいました。
その結果、ここは「
旧白滝」と呼ばれるようになったのです。
そのやや寂しい由来の地名を駅は冠しているわけですが、実は
「旧」のつく駅は珍しいのです。
周囲を調べてみても、「新」のつく地名はあっても、「旧」のつく地名は滅多にないはず。
駅となるとさらに珍しいようで、
JRではここ旧白滝駅だけとか。
私鉄まで含めて見ても、
日本に二カ所しかないそうです。

駅のホーム先にある「
墓地」踏切。
何気なく駅を歩いていてこの名前にぶつかるとドキッとします。
由来は単純で、この踏切を越えて山側にいった所に、御墓があるためのようです。
駅からもかすかに見えますが、そこは高台で、眺めもよさそうでした。
恐らく、この旧白滝の地を一望の下にできるのでしょう。
少し寂しいかもしれませんが、それはそれで心地よい“
永眠の場所”かもしれません。


駅ホーム。
写真は雪に覆われているため、分かりにくい部分もありますが・・・。
基本的には、
盛土して作ったホームのようです。
印象としては、
上白滝・
下白滝駅ホームとそれほど変わりはありませんでした。
ホームはそれほど長くありませんが、仮乗降場からの昇格駅にしては、それなりの有効長があると感じます。
この季節は、草などがないため特にそうなのかもしれませんが・・・。
駅前は視界が開け、ホームに立っていると、
清々しい気持ちになります。
写真を撮ったり、待合所でゴロゴロしたり(汗)、ホームに立って心地よい空気を吸ったり・・・。
色々な形でこの駅と環境を満喫していたLMにとって、
3時間という時間はあっという間でした。
人によっては、
退屈極まりない時間かもしれませんね(苦笑)。
でも、LMにとっては、心安らぐ大切な時間なのです。
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テーマ:駅の風景 - ジャンル:旅行
- 2011/10/13(木) 00:00:01|
- 駅探訪
-
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| コメント:2
こんにちは。白滝シリーズ、興味深く拝見させてもらってます!
子供の頃から北海道一周旅行を妄想・計画してはいつもこの白滝をどう越えるかで頭を悩ましていましたので…。
当時は駅にはあまり興味がなく、下車してどうこうっていうことは考えてなかったんですけどね。そんなこと考えてる小学生とか居ませんよね(笑)
白滝駅を除く白滝シリーズ各駅、存在意義で言うと「ない」ですよね。
でもそんな駅がまだ営業していて、民家も無い奥地で人の温もりを感じさせてくれる、これが堪らなく魅力的なんだな、と感じます。
- 2011/10/14(金) 10:28:38 |
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- ねじまきてつや #-
- [ 編集 ]
ねじまきてつや様
こんばんは。
コメントありがとうございます。
> こんにちは。白滝シリーズ、興味深く拝見させてもらってます!
> 子供の頃から北海道一周旅行を妄想・計画してはいつもこの白滝をどう越えるかで頭を悩まして
> いましたので…。
> 当時は駅にはあまり興味がなく、下車してどうこうっていうことは考えてなかったんですけどね。
> そんなこと考えてる小学生とか居ませんよね(笑)
確かに、普通列車で旅をすると、ここを越えるのは大変ですね~(笑)。
子供の頃に駅に下車してどうこう・・・というのはあまりありませんね、確かに。
私も、駅に興味を持ち始めたのは高校以後でした。
> 白滝駅を除く白滝シリーズ各駅、存在意義で言うと「ない」ですよね。
> でもそんな駅がまだ営業していて、民家も無い奥地で人の温もりを感じさせてくれる、これが堪らなく
> 魅力的なんだな、と感じます。
そうですねぇ、確かに駅としての存在価値はないに等しいかもしれませんね。
しかし、私にとっては大切な駅です。
いつまでも白滝の地に存在してほしいと思います。
- 2011/10/15(土) 22:28:50 |
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