[ 石北本線 下白滝駅 ]

タクシーで向かった先は、
下白滝駅でした。
駅の並びから行くと、丸瀬布の次が下白滝なのですが・・・。
その
駅間は9km以上も離れており、さすがに徒歩は厳しいところ。
そういう次第でタクシー利用になりました(汗)。
冬に初めて来て以来、久しぶりに見る下白滝駅。
そんなに何回も来た場所でもないのに、とても
懐かしく感じました。

一面の銀世界だった季節と比べると、やはり雪のない季節は随分印象が違います。
個人的には、やはり
雪に覆われたこの駅が好きですが・・・。
しかし、雪のない季節の下白滝駅も、十分に魅力的です。
周囲の散策が一段落すると、ホームの縁に直接座り、白い雲が流れていく様をゆったりと眺めていました。
少し暑いくらいの太陽がこの世界をまばゆく照らし、空はどこまでも高く感じます。
大好きな場所に帰って来たんだ・・・そんな実感が心の中に満ちあふれていました。

ゆったりと流れる時の中、この旅行でいつも胸ポケットに入れていた、
大切な人の小さな遺影を取り出しました。
北海道を心から愛した彼女。
生前、一度だけ彼女と一緒に北海道の地を踏み、それ以来、北海道が大好きになってしまったLM。
そんな北海道との縁を取り持った彼女の遺影と共に、北海道の大地を眺めていました。
『もしも自分が先立ったなら、時々私を北海道に連れて行って供養してね』というのが彼女との約束だったから・・・。
吹き抜ける風の音が彼女の声に聞こえ、光あふれる大地で、
彼女が隣に座っているような錯覚がしていました。
きっと、彼女の魂も満足してくれているのでしょう。
乗車客もいない、列車もあまり来ない、周囲の人気も少ないひなびた無人駅。
でも、だからこそ誰にも邪魔されることのなく、自分の世界に陶酔できます。
下白滝駅は、LMにとって、
奇跡の舞い降りる場所でした。


いつまでもここで過ごしたい・・・そんな思いが強く心を支配します。
北海道の駅は、どこも居心地がよく、離れがたい思いをするのですが、ここは特に強力です。
しかし、そんな思いを断ち切るかのように、駅の構内踏切が鳴り始めました。
未練を断ち切るように立ち上がり、列車に乗り込みます。
遠ざかる下白滝駅を、列車の中からずっと見つめていました。
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テーマ:駅の風景 - ジャンル:旅行
- 2012/02/11(土) 00:00:01|
- 鉄道旅行
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| コメント:2
前期高齢者様
こんばんは。
コメントありがとうございます。
> 知りませんでした
> 約束だったんだね
はい。約束でした。
約束というより“誓い”というべきでしょうか。
私が彼女を亡くした後、自殺せずにここまで生きてきたことも含めて……彼女との約束です。
この約束は、私にとって全てに優先する事柄なのです。
> 僕もこの駅舎は心にしみます
> 空は青く 雲は白いね
そうですね。今や見慣れた駅舎となりましたが、いつ来ても心に染みる駅舎ですね。
空は青く、雲は白いのですが・・・。
私の撮り方が下手なので、イマイチきれいに表現できてません(死)。
- 2012/02/10(金) 23:06:03 |
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