2012.04.20(Fri):鉄道旅行

[ 遠軽町(旧白滝村) 国道333号沿線 ]
北海道201202(17)

北海道201202(18)

北海道201202(19)
以前、夏の終わりに訪問した際に歩いた、上白滝駅までの道程
最愛の人の遺影を胸に、この日、再びその道を踏みしめた。
同じ道、同じ大地なのに、世界は白銀に染め上げられ、全く別の世界のように見える。
それでも、白滝の大地は美しかった。
寒さが増しても、風が叩きつけても、苦にはならない。
ただ、銀世界のこの地を、あの人と共に歩ける喜びだけが、LMを支配していた。

北海道201202(20)
周囲に人家もなく、道は雪に埋もれ、誰も通りそうにない踏切。
それでも列車が来ると、踏切は己の義務を忘れず、高々と警報をかき鳴らし、赤灯を点滅させる。
「鉄道」という巨大な仕組みの中で、踏切などちっぽけな“歯車”にすぎない。
だけれども、その歯車がひとつでも狂ったり、欠け落ちたりすれば、安全は損なわれてしまう。
だからこそ、踏切は、脚光を浴びぬ歯車に甘んじて、誰も見ていなくても、ただ黙々と働き続ける。
そんな踏切が安全を守る鉄路を、列車は一瞬で駆け抜けていった。

[ 石北本線 上白滝駅 ]
北海道201202(21)

北海道201202(22)
雪を蹴飛ばし、風を押しのけて進むLMの前に、上白滝駅が姿を現す。
しばらく駅前に佇み、余韻に浸っていると、今まで雪で白んでいた空が不意に開け、青空が姿を見せた。
雪の中、この駅に再会するためだけに、徒歩でここまで来たLMに報いるかのように。
上白滝の空は、これまでで一番美しい空で、LMを迎えてくれた。

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青空は間もなく雪雲で閉ざされ、世界はみるみる白く染まってゆく。
やがて、雪が吹き荒れ、風が窓を叩き出す。
待合室に腰をおろして、その光景を見詰めるLMには、それが言葉にはできない不思議な愉悦の時間に感じた。

[ 遠軽町(旧白滝村) 国道333号沿線 ]
北海道201202(24)
タクシーで発祥の地に立ち寄った後、下白滝への道を再び徒歩で進む。
白滝の地は、次第に雪が強まり、風は荒れ狂い、世界は吹雪に閉ざされた。
寒さに慣れたLMにも、強風を伴うこの吹雪は厳しいものだった。
北の自然が、LMに牙をむいた瞬間だった。

[ 石北本線 下白滝駅 ]
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救いの下白滝駅が見えてきたのに、そこまでなかなかたどり着けない。
容赦なく吹き付ける吹雪に、前に踏み出す足が重く感じる。
体感温度はみるみる下がり、服は雪で固められ、息継ぎさえ苦しい。
ほんのわずかな距離が、苦難の道に感じる。
命の危機さえ感じる強行徒歩行軍を経て、転げこむように下白滝の駅舎へ逃げ込んだ。

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駅の外は、完全に吹雪で覆い尽くされていた。
四方八方、雪、雪、雪・・・。
列車さえ止めたほどの吹雪は、世界を白く染めて、ひたすらに降り続ける。
それは、ヒトが抗う事のできない、どこまでも厳しい自然の発露。
しかし、一方で、その景色は、蠱惑的なまでに美しい情景だった。

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北海道201202(32)
やがて、不意に雪は止み、空に太陽が戻ってきた。
太陽の暖かい温みが、凍りつきそうだったLMの心と体を優しく溶かしてゆく。
太陽のありがたさを、改めて実感した瞬間だった。

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北海道201202(34)
下白滝を通過してゆく特急「オホーツク」
道中の苦闘を物語るように、その面は雪で覆い尽くされていた。
雪煙を上げ、北国の列車は、今日も厳しい自然に立ち向かう。

北海道201202(35)
楽しい時間は、あっという間に過ぎ去る。
楽しい旅行も、あっという間に終わる。
短い滞在日数だったけれども、冬の北海道の情景を十分に堪能できた。
この時感じた感動は、写真と共に、LMの心にいつまでも残り続けるだろう。


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