2012.06.07(Thu):駅探訪

野馳駅(1)
本日の駅紹介は、芸備線から野馳駅をご紹介します。
野馳駅は岡山県新見市にある駅で、同県でも最西端、広島県との県境近くにある駅です。

野馳駅(2)

野馳駅(3)

野馳駅(4)
野馳駅駅舎。
この駅も、開業当時の木造駅舎がそのままに残されています。
前回紹介した備後八幡駅とは違い、当駅は事務室部分も残されているため、堂々として重厚な雰囲気があります。
駅前に植えられている手入れの行き届いた松(?)が、そうした雰囲気をより強調しているような気がしますね。
外壁の板は、長い年月、風雪に耐え抜いてきた歴史を物語る、実に味のある色合いを出していました。
この板目1枚1枚に、この駅の歴史と、年月が凝縮されているようで、一目見た時から感動したものです。
駅周辺は、小さいながらも相応に人家が集まり、ちょっとした駅前通りがありました。
この駅から新見市内(岡山県内)に入りますが、市中心部に向けた通勤・通学等で、ある程度は需要があるようです。
そのせいか、この駅は簡易委託駅(朝・夜は無人)となっています。
備後八幡駅も簡易委託ですが、こちらは他店舗ではなく、駅の窓口で切符を発券されているようです。
LMが訪問したのは休日でしたが、ちゃんと職員の方がおられたので、土日も窓口は開いているのでしょうか。
駅前にはタクシー兼観光バスを営業する会社があり、そちらが委託業務を担っておられるようです。
委託業務の傍ら、会社の事務室としても使われているようで、この駅舎の事務室はまだまだ“現役”なのです。
駅舎の撮影をするには、どうしてもこの大きな観光バスの車庫の前に立つ必要がありました。
危険防止と礼儀も兼ねて、一応会社の方に挨拶して断りましたが、快く許可してくださいました。

野馳駅(5)
ホーム(線路)側から見た駅舎。
横に長いひさしがあることもあり、正面から見た光景とはだいぶ異なる印象です。
もちろん、こちら側から見る駅舎も期待を裏切らないものです。
独特の風情を醸し出す、昔ながらの板壁や木製の窓枠。
風雨に耐えてきた年月を思わせる瓦葺の屋根とひさし。
それをがっしりと受けて立つ柱。
そのどれもが年季を重ね、程よく色あせ、一つひとつがこの駅の歴史の証人となっている――。
木造駅舎が大好きなLMには、どれもたまらないものばかりです。
唯一、ドアだけはサッシですが、駅舎に溶け込むような色が用いられており、違和感はあまりありません。

野馳駅(6)

野馳駅(7)
駅舎内部。
備後八幡駅に比べ若干室内が暗く感じるものの、居心地は悪くありません。
こちらは木製の長椅子に加え、プラスチック製(と思われる)椅子も用意されています。
LMはもちろん、大好きな木製長椅子を選んで座りました(笑)。
ドシンと腰を落ち着けると、椅子から木造駅舎の鼓動が伝わってくるような、優しい雰囲気が伝わってきます。
駅舎内は静かで、時計の音が聞こえるほどですが、この日は事務室からテレビ(またはラジオ)の音が時折聞こえました。
そう、この駅は、待合室だけでなく、事務室もまだ現役なのです。

野馳駅(8)
切符販売の窓口。
簡易委託のため、近郊区間の切符程度しか買えませんが、自販機ではなくちゃんと窓口で切符が買えます。
やはり、有人の切符売場があるのはいいものですね。
木造駅舎が残されていても、事務室は閉まっていることが多いですが、ここは事務室もしっかりと活用されています。
ただ、委託業務を務める女性職員に「中はあまり撮らないでね」と言われたので、奥までは撮りませんでした。
少し中をのぞいてみると、事務用品、暖房器具やちょっとした湯茶道具などが並び、いかにも“生活感”に溢れています。
今は無人化された駅にまだ駅員がいた頃、きっと事務室はこんな風だったんだろうな・・・と思いつつ、ほのぼのした気持ちで眺めていました。
ただ、デスクトップ型パソコンが窓口のすぐ横にあるのは、かなり違和感がありましたね(汗)。
新旧が混在する駅舎――それこそが“現役”であることの象徴なのかもしれません。

野馳駅(12)

野馳駅(13)
野馳駅構内(備後落合・三次方面)。
写真でも判別できると思いますが、以前は2面2線だったらしい形跡があります。
しかし、後述する通り、現在は閑散とした路線のため、交換駅の存在価値は主要駅以外ないも同然の状況。
この駅も、今は不必要となった線路を剥いで、1面1線の棒線構造とされていました。
この措置に伴い、当然のことながら駅舎反対側のホームは廃ホームとなり、草に埋もれています。
その状況からは、往時を偲ぶことはできませんが・・・。
かなうことなら、まだこのホームが活況を呈していた時代のこの駅に降り立ってみたかったですね。

野馳駅(10)

野馳駅(11)
野馳駅構内(新見方面)。
駅舎横(写真では手前)にある白い壁の建物は便所になります。
この駅では、備後八幡駅とは違い、便所は新しく建て替えられたようです。
新見-東城間は、東城-備後落合間よりは需要があり、多少本数も多いとはいえ、所詮は上り6本、下り5本にすぎません。
(下り列車はもう一本ありますが、快速のため、野馳駅は通過してしまうのです)
土休日はさらに少なく、上り5本、下り4本になってしまいます。
この場合、下り始発は13:29発の備後落合行きとなってしまうため、列車訪問の際は悩みのタネになりそうですね。

野馳駅(9)
野馳駅のラッチ(改札口)。
待合室のホーム側出口に残されており、扉もまだしっかりと可動します。
野馳駅の場合、駅に職員がいるため、細かい所まで“手が入っている”という印象を受けました。
管理がきっちりと行き届いているのです。
こうした地方の木造駅舎を訪ね歩くと、どうしても無人化された駅舎が多いものですが・・・。
この駅は、簡易委託駅とは言え見守る職員がおり、それが駅舎にも温かい雰囲気を醸し出しているように感じました。


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