2012.08.28(Tue):鉄道旅行

[ 石北本線 下白滝駅 ]
北の空へ_201201(104)
前日訪問した下白滝駅に、この日、再び戻ってきました。
相も変わらず、誰もいない駅。
聞こえてくるものと言えば、目の前の牛舎にいる牛の鳴き声と、その番犬が吠える声くらい。
いつも思いますが、白滝の地は、まるでLMを優しく包み込んでくれるかのよう。
空や風さえも、違う世界のものかと思うほど、優しくLMの体と心に染み込んできます。
時には厳しい自然の力を見せつけ、甘えを許さぬところもあるけれど、それさえも愛おしく感じる大地。
心が求めてやまぬLMにとっての聖地――それがここ、下白滝駅なのです。

北の空へ_201201(105)

北の空へ_201201(106)
前日に引き続き、最愛の人の遺影を取り出し、一緒に目の前の光景を眺めます。
その合間合間には、下白滝駅を通過してゆく列車を撮影していました。
とある方が、私の北海道の旅を「巡礼」と評されたことがありますが、その表現は妥当だと思います。
北海道に旅に出て、駅を巡ったり、鉄道を撮影するのは、もちろん楽しいことです。
でも、それは、LMにとって北海道旅行の副次的な目的にすぎません。
一番の目的は、夭折した最愛の人の鎮魂が目的です。
彼女が最も愛した場所を、彼女の遺影と共に歩く――。
それは彼女の願いであり、私の心の癒しとなる旅でもあります。

北の空へ_201201(107)

北の空へ_201201(108)

北の空へ_201201(109)

北の空へ_201201(110)
昨日と違ったことは、この日は雪が降ったことです。
前日は、雲が多いとはいえ、概ね青空が見えていましたが、この日は空一面が曇り空。
到着してしばらく佇んでいると、本降りの雪になりました。
これまで、下白滝駅では、冬の訪問でも晴れか曇りで、雪は降っていませんでした。
というか、LMの北海道旅行は、冬でも大抵は晴れ模様です。
それはそれでいいことなのですが、雪国らしい情景を見たい・・・とも思っていました。
この日、ついに願いがかない、雪の降り積もる下白滝駅を撮影することができたのです。
白く染められた世界は、まさに清浄そのもの。
真っ白になりながら撮影しているうちに、この雪がLMの心の狂いや歪み、穢れを一掃してくれるような気がしました。

北の空へ_201201(112)
下白滝を通過する特急「オホーツク」
雪で真っ白になりながらも、雪を跳ね飛ばして勇ましく駆け抜けていく姿に惚れ惚れしました。

北の空へ_201201(111)
本降りの雪は、ほんのわずかな時間の出来事。
20分もすると、もう青空が見えてきました。
先ほどの雪は、この地で雪が舞うことを願っていたLMに、白滝の大地がくれた贈り物だったかもしれません。
そうこうしているうちに、別離の時が迫ってきました。
特快「きたみ」で離脱するため、今回もやむなくタクシーで下白滝駅を離れます。
タクシーに乗り込む前、この駅で見た様々な光景が一度に浮かんでは消えました。
後ろ髪ひかれる思いでしたが、迷いを断ち切るように、タクシーのドアは閉じたのでした。

北の空へ_201201(113)
タクシーで向かった白滝駅は、まだ16時台だというのに、夜のように真っ暗でした。
薄暗い空、かすかに辺りを照らす灯火、雪が覆ったホーム・・・。
それらが組み合わさり、どこか郷愁を誘う光景でした。
そこに、静かに列車が滑り込んできます。
その時、不意に物凄い寂寥感が湧いてきました。
愛しき白滝の大地との別れ――それがLMの心を震わせるのです。
ここでまた、LMの心と体は後戻りしかけましたが・・・。
列車の時刻という現実がLMの心に正常な判断力を取り戻させ、慌てて駆け出したのでした。


スポンサーサイト

Secret