2012.11.24(Sat):駅探訪

岩山駅(1)
久しぶりとなる駅紹介、本日は岩山駅をご紹介します。
岩山駅は、岡山県新見市にある駅で、姫新線に所属しています。
この付近、岡山県から広島県にかけて、中国山地を走る路線には雰囲気の良い木造駅舎が多く残されています。
ここ岩山駅にも、立派な木造駅舎が残っています。

岩山駅(2)

岩山駅(4)
岩山駅駅舎。
駅の開業は、1929(昭和4)年まで遡ります。
当初、この駅は、新見駅から接続する路線(作備西線)の終着駅でした。
後に路線は順次延伸され、作備線→姫新線となり、それに伴って中間駅となったという歴史があります。
1972(昭和47)年に無人化され、1975(昭和50)年に国鉄から市に駅舎を譲渡。
その後、1981(昭和56)年に発足した地元住民で組織する「姫新線岩山駅舎管理委員会」が市から管理委託を受け現在に至ります。
その駅舎ですが、前述したとおり、岩山駅には実に風情のある駅舎が残されています。
駅舎は開業当時のものなので、既に80余年の時を刻んでいるわけです。
以前は盲腸線とはいえ終着駅だったせいか、駅舎は心なしかやや大きく、威厳があるものに感じます。
駅舎全体から感じる堂々とした風格、無塗装の美しい外板、木製の窓枠が今も残る窓、小さいながらも風情のある庭木・・・。
そのどれもがLMの琴線に響きまくる、素晴らしい駅舎でした。

岩山駅(20)

岩山駅(10)
駅舎がまとう外板は、下見板張りと呼ばれる様式が用いられるようになっています。
下見板張りとは、建物の外壁に板材を横に用いる際、板を単純に隙間なく平坦に張り込むのではなく、板の下端がその下の板の上端に少し重なるように張る方式であり、横から見ると段差があるように張り込まれています。
(下の写真を見ると、その形状がお分かりいただけると思います)。
木造駅舎によく用いられるこの形状は、見栄えが良いだけでなく、板をずらして張ることにより雨水の浸透を防ぎやすいという利点があるとか。
この駅の外板もそうした目的をしっかりと果たしてきたのでしょう。
無塗装ゆえに分かる板の独特な色合いが、風雨に耐えてきた年月を忍ばせてくれます。
なお、地面に近い場所の板張りは腰羽目と言いますが、こちらは縦羽目板を使用。
双方が組み合わさって、魅力的な木造駅舎を構成されているのです。

岩山駅(5)

岩山駅(6)

岩山駅(7)

岩山駅(8)
ホーム側から見た駅舎。
立派な庇(ひさし)とそれを支える柱、雰囲気の良い長椅子・・・。
正面から見た駅舎も素晴らしいですが、こちらから見た駅舎もなかなか好印象です。
その一つひとつがLMのツボにはまりまくりの駅舎で、すっかりこの駅が気に入ってしまいました。
撮影の合間、少し疲れて椅子に座りこむと、それだけで心が落ち着き、疲れが癒される気がします。
特に何かするわけではなくとも、気に入った木造駅舎の椅子に座っているだけで心が和み、精神が安定するLMはやはり根っからの木造駅舎好きなのでしょう(笑)。

岩山駅(11)

岩山駅(12)
駅舎内部。
玄関の扉は懸垂式(滑車によって梁に吊り下げられる形式)になっており、今でも良好に動きます。
駅舎が残っても、入口はサッシに変わってしまう駅舎が多い中、これはポイントが高いです。
(もっとも、待合室の窓は、残念ながらサッシになっているのですが・・・)
内部も比較的良好に残されてはいますが、切符の販売口を塞いだらしい板が他に比べて新しい感じがするのが若干違和感を感じさせます。
ちなみに、この駅は夏場に訪問したため、駅舎内は虫の害が酷く、椅子には虫の死骸があちこちに散らばっている始末(汗)。
夏の時期は避けられない事態ではありますが、やっぱり不気味ですよね。
ただ、駅舎は日頃から前述した駅舎管理委員会の方々が清掃されているらしいので、この時は運が悪かったのかもしれません。
全般的に見ればきちんと管理されていましたし。
ちなみに、以前駅員の事務室や休憩所だった場所は、そのまま地区の集会所として用いられています。

岩山駅(14)

岩山駅(15)
岩山駅ホーム(新見方面)。
写真でも見て取れる通り、駅舎の反対側に使われなくなったホームの跡が残されています。
昔は少なくとも2面2線はあり、交換可能な配線だったのではないかと思われます。
今では、駅舎反対側のホームは使われなくなって線路も剥がされ、1面1線の棒線ホームとなっています。

岩山駅(16)

岩山駅(17)
岩山駅ホーム(津山方面)。
「新見市史」によると、岩山駅はかつて貨物の取り扱いもあったようで、1954(昭和29)年には、1日平均23トンもの発着があったとか。
往時、駅は賑わいを見せていたのでしょうね。
貨物もなくなり、駅の利用者は1日たったの10人(平成22年度/JR資料)とか・・・。
時代の流れとはいえ、寂しいものです。

岩山駅(19)

岩山駅(3)
岩山駅は、岩山神社に参詣する人々の最寄駅としても知られています。
岩山神社は、この付近では有名な神社の一つで、石凝姥命(いしこりどめのみこと)を主祭神として、他に4柱、計5柱の神々が御祭神として祀られています。
ご利益としては、腰から下の病気や怪我に霊験あらたかとされているとか。
以前は遠くから参拝に来られる方も少なくなかったようです。
11月3日に行われている大祭の日は特に賑わいを見せます。
以前は、臨時列車やバスが出たほか、徒歩15分ほど離れている岩山駅まで出店の列が並ぶほど盛況を見せていました。
今ではクルマ社会の進展もあり、鉄道で岩山神社を目指す人は減っているようです。
それでも、岩山駅は、由緒ある神社への玄関口として恥ずかしくない堂々とした構えを持って、私たちを出迎えてくれるのです。


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