
本日は、
三江線から
宇都井駅をご紹介します。

LMがこの駅を知ったのは、まだ小学生頃だったと思います。
名前は思い出せないのですが、その頃の愛読書に全国の駅を紹介している本がありました。
そんな頃から、駅に興味を持っていたのですネ(苦笑)。
それはともかく、その本の中で、この駅も紹介されていました。
その
異様な姿は、子供心にも強い印象となって残ったことを覚えています。
そして、その印象は大人になった今でも薄れることなく残りました。
本格的な駅探訪を始めた今、いつかは必ず訪問したいと思っていましたが、今回、念願かなって訪問することができました。

憧れの宇都井駅に降り立ちました!\(*´ヮ`)/
駅に降りた瞬間感じたことは、とにかく「
寒っ!」((((;゚Д゚)))
LMたちが住んでいる辺りは、まだ最低気温でも2ケタです。
が、ここは、吐く息が白くなり、余裕で気温は1ケタいってそうです。
しかも、高台にあるので、風が冷たいこと!
「中国山地のただ中にあるから、もしかすると寒いかも」と防寒着を余計に持ってきたのは大正解でした。
が、それを着込んでもまだ寒い有様です。


宇都井駅遠景。
電線が気になるので、下の写真ではややズームを使って撮りました。
トンネルとトンネルに挟まれた高架の途中に忽然と現れる駅、まるで塔のように巨大な階段・・・。
子供の頃から頭に描いていた宇都井駅そのままの姿です。
それにしても、この近辺特有の赤瓦と田園の広がるのどかな風景の中に、この駅だけが
あからさまな違和感を醸し出しています。

ホームから見下ろした駅の階段。
地上とホームを結ぶ階段は
116段あります。
こうして見ても、地上はかなり下に感じ、かなりの高さがあることが分かります。
しっかりしたフェンスがあるので、高所恐怖症の人でもそれほど恐怖は感じないと思いますが・・・。

階段の途中から見た高架橋とホーム。
見るものを圧倒するような、
コンクリートの威圧感があります。

宇都井駅入口。
この部分だけ拡大すると、まるで
団地の入口のようにも見えますネ(笑)。


橋上のホームまでをつなぐ巨大な階段。
宇都井駅は
地上30mの高所にあり、
高さとしては日本一なのだそうです。
30mと言ってもなかなかピンときませんが・・・。
全く駅と関係ありませんが、かの名城・姫路城天守の建物部が31.5mとのことですので、それとほぼ同じ高さになるのでしょうか。
それにしても、これを見ると、そのシミだらけのコンクリートや辺りの情景から、まるで
廃墟のようにさえ思えてきます。
まるで、取り残された団地の廃墟でも見るかのような趣。
しかし、この駅は今でもちゃんと生きており、地元の人に利用されているのです。
もっとも、この高さを上り下りするのは大変なことだと思います。
実際利用してみると、下りは何の苦痛も感じませんでしたが、やはり上りは少し辛いです。
右下にあるのがトイレですが、もしホーム上にいる時にトイレに行きたくなったら、116段の階段を駆け下らなければならないわけで、大変な話です(苦笑)。

階段の踊り場に書いてある謎の数字。
下から順番に数値が増えているようなので、踊り場の順番を書いたものなのでしょうか。
ちなみに写真の「十一」は、階段の最終段階にあります。

宇都井駅待合室。
階段の最上部に設置されています。
堅牢な建物に見えますが、内部には「
雨漏りします」の張り紙が・・・( ̄▽ ̄;)
建物の上(写真左上)には白いマイクが設置されています。
列車を待っていると、このマイクから「ただいま、列車は
浜原駅を16分遅れて発車しました・・・」というアナウンスが(;´Д`)
これは、昔から憧れていたこの駅にもっと留まって探索せよという、
天の啓示か!(大げさ)
それにしても、このアナウンスは割れたような声で、待合室の中にいると聞こえにくいです。
外にいれば、それなりに聞こえるのですけれども。


待合室内部。
コンクリートで囲まれ、窓もない(ここにつながる階段の途中に窓あり)ため、室内は全体的にやや薄暗く、殺風景な景色です。
しかし、きつい階段があるにも関わらず、地元の方々が来て整備されているのか、
塵ひとつも落ちていないほどきれいで、清潔に保たれており、居心地は悪くありません。
また、殺風景な景色を和らげるかのように、
座布団が置かれています。
何より、外は寒風が吹きつけとても寒かったのですが、待合室に逃げ込むと風を遮断できる分だいぶましで、寒さもしのげます。
この待合室のありがたさをつくづく感じました。
ついでに、座布団をひくと身も心も温まってきます。
地元の方々の心遣いを感じるような駅でした。

待合室から見下ろせる光景。
のどかな田舎の光景に、かすみのかかった山の景色がマッチして、とても美しい眺めです。
山々は、ところどころ
紅葉が色づき始めていました。

駅舎内に置かれている
駅ノート。
かなりの分量です。
結構たくさんの皆さんが訪問されていることが分かります。
何故か、四国の
坪尻駅と
下灘駅の写真が一緒に入っていました。
どちらも、駅を探訪する者にとって一度は行ってみたい駅ですが・・・(私も行きたいです・笑)。
先にこの駅に来た駅訪問家の記念なのか、忘れ物なのか、分かりませんでした。


宇都井駅ホーム。
三次方面(上)と浜原・江津方面(下)、どちらもトンネルに囲まれています。
この辺りは、三江線の中でも
一番遅く(1975年)開業した区間のため、トンネルを連続させた高規格路線になっており、列車が最も速度を出せる区間になっています。


探索しているうちに時間は過ぎ、やがてきっちり16分遅れで帰りの列車が入ってきました。
1時間ほどの探索でしたが、時間はたちまち過ぎてしまいました。
LMたちが好きな木造駅舎とは正反対の、まるで
コンクリートの要塞のような駅。
でも、いつ間にか、私たちはこの駅にひかれていました。
『
また来たい』そう思わせる駅でした。
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テーマ:鉄道旅行 - ジャンル:旅行
- 2008/11/07(金) 00:00:01|
- 駅紹介・三江線編
-
-
| コメント:4
田園風景の中に巨大な高架路線とコンクリートの塊のような駅があるというのも不思議で面白いです。
私は山間に鉱山施設などがある風景が好きなのですが、それに似たものがある気がします。
ただ、鉱山施設は多くが廃墟となっていますが、この駅は地元の人の優しさが随所に感じられますね。
私も一度行ってみたいのですが、関東からはちょっと遠いです…
- 2008/11/07(金) 04:40:13 |
- URL |
- 虹色電車 #KKkP8W76
- [ 編集 ]
さすがに、宇都井駅にはビックリしました
こんな異様な姿の駅ってあるんですね。
なんか上で電車待ってる間は怖いような面白いような…(^▽^;)
これは、印象に残りますね♪
- 2008/11/07(金) 12:31:35 |
- URL |
- みなもとん #-
- [ 編集 ]
虹色電車様、いらっしゃいませ。
コメントありがとうございました。
こののどかな光景とコンクリートの塊とのアンバランスさは、確かに何とも言えないものがありますね。
それがこの駅の魅力なのかもしれませんけれども。
関東からは確かに遠いでしょうね。
私は関東よりはこの駅に近い所に住んでいますが、それでもなかなかこの駅への訪問ができなかったくらいですから。
それにしても、もし万一、三江線が廃止などという事態になれば、この建物は壮大な廃墟として残されることになるのでしょうか。
- 2008/11/07(金) 18:45:25 |
- URL |
- LM #-
- [ 編集 ]
みなもとん様、いらっしゃいませ。
コメントありがとうございました。
初めてこの駅を見たら、その異様さが印象に残るでしょうね~。
私なんか、子供の頃からのイメージですから(笑)。
でも、この駅で列車を待つのは、楽しくこそあれ、怖い事はないですよ。
ま、高所恐怖症の人は別かもしれませんけれども(笑)。
ですが、周囲は自然が豊富で、赤瓦を載せた民家とあわせて、本当に絵のような光景ですよ。
ゆったりするには最適かもしれません。
- 2008/11/07(金) 18:46:32 |
- URL |
- LM #-
- [ 編集 ]